月間の利用者数は約1.2億人、ページビューは20億回を超えるという、国内最大級のレストラン検索・予約サイト「食べログ」。特別な日のごちそうから日常の軽い食事まで、今やお店選びには欠かせない大人気サイトは、どのように開発され、維持されているのだろうか? 食べログ開発に携わる約80名のエンジニアの中から、福田将大さん、湊谷海斗さん、浜田直人さんにその裏側を聞いた。
-
食べログシステム本部
システム開発2部
DevOpsチーム
湊谷海斗さん
-
食べログシステム本部
システム開発2部
app開発チーム
福田将大さん
-
食べログシステム本部
システム開発2部
メディア開発チーム マネージャー
浜田直人さん
アプリ開発から裏側のサーバ管理まで
約80人のエンジニアが活躍中!
──食べログ開発の中で、エンジニアである皆さんはそれぞれどのようなお仕事をしているのでしょう?
- 浜田
- 私は、ユーザーのみなさんが普段目にしている食べログサイトの開発を担当しています。社内のデザイナーや企画担当者たちと相談しながら、食べログサイトの新規機能や改善などを考え、システム開発を行っています。
- 湊谷
- 私は、浜田さんが扱うサーバが問題なく動作し続けるためのサーバの管理・運用に携わっています。要するに、サイトのシステムが正常に動くようにするためのインフラ整備ですね。食べログを支える何百台というサーバシステムのヴァージョンアップなどにも逐一対応しながら、サイトのパフォーマンス向上をめざしています。
- 福田
- 私はapp開発チームというチームで、iOS 版とAndroid版のスマートフォンアプリ開発に携わっています。パソコンやスマホなどのWebブラウザで利用することができる食べログサイトのサービスを、スマホアプリでも利用できるようにする仕事です。
──3人は普段のお仕事でどのように連携しているのですか?
- 福田
- スマホアプリに新機能を追加する場合、スマホアプリに必要なデータをサーバから返却してもらうよう浜田さんのチームに依頼します。例えば、同じランキング画面でもPCサイトとマホアプリでは最適な表示の仕方は違うため、スマホアプリが利用しやすいデータを返却してもらいます。
- 浜田
- 福田さんが開発しているアプリが利用する画像や口コミなどのデータを返却するAPIを開発します。ただデータを返却するのではなく、パフォーマンスを考慮して膨大なデータから効率よく抽出したり、アプリが使いやすい形式に整えたりもしています。アプリ利用者には直接見えない裏方の仕事です。
- 湊谷
- 私が担うサーバ管理は、さらに裏方の仕事です。食べログは店舗表示などのページごとに閲覧数が大きく変わってくるので、それぞれにどのくらいの台数のサーバが必要なのかを考え、負荷を分散させる必要があります。福田さんからの要望に浜田さんが問題なく答えるためのインフラを常に整えておく必要があるのです。
- 福田
- あとは、iOSもAndroidも常にアップデートを繰り返しているので、アプリもそれに対応していく必要があります
- 浜田
- アプリのアップデートだけではなく、サーバのヴァージョンアップも必要です。これらも湊谷さんのサーバ管理の仕事。ユーザーが見ている画面には現れづらいのですが、サイトを維持していくためにとても重要です。
3人が連携する業務フローの概念図。(API =アプリケーションプログラミングインターフェース)
──仕事をする上でのやりがいはどんなところですか?
- 福田
- これだけ多くのユーザーに向けてサービスを発信できることはすごくやりがいがあります。ときには新しい機能をリリースした次の日に友逹から感想をもらったりすることも。そのユーザーとの距離の近さに、「もっといいサービスを届けていきたい!」とやる気が出ます!
- 浜田
- 食べログの新機能やサービスについて、SNSとかでも反応があるとうれしいよね。最近ではテレビで取り上げられることも増えてきて、影響力の大きさを実感しています。
- 湊谷
- また、サービスを使う人が多ければ多いほどシステムを維持するだけでも難易度が高くなり、必然とエンジニアに要求される技術力も高くなります。そういった環境で積める経験は非常に大きく、日々成長を実感しています。技術面で言うと、食べログのサイトはサービス開始当初から常に変化していますが、サービスの提供を止めることなく新しい技術を取り入れたサーバにリプレイス(移行)するなど責任のある仕事にも取り組めるので、自分の実力を試される場が多く、腕が鳴ります!
──「挑戦」し続けられる環境ということで、今後、食べログ開発でチャレンジしてみたいことを聞かせてください。
同じ画面でも表示の仕方が異なるPCサイトとスマホアプリ
- 湊谷
- 私は、機械学習を用いたサービス開発に挑戦してみたいです。現在ある機械学習を使ったサービスというと、ユーザーが投稿した口コミから、似た投稿をしている他のユーザーを判別してリコメンドする機能があるのですが、食べログに集まったビッグデータを用いて便利な仕組みをもっと広範囲に展開していきたいと思っています。
- 浜田
- 利用者や店舗のデータがたくさん集まるとやれることも増えてくるよね。事業計画に沿った企画は主に企画担当が考えていますが、それとは別に、最新の技術を駆使した企画などエンジニア側から提案して面白いサービスや使いやすい機能を実現していきたいですね!
──最後に、理工系進学を志す高校生へのメッセージを!
- 福田
- インターネットやプログラミングの専門知識は、今後どのような仕事をする上でも役立つと思います。私たちも大学で学んだプログラミングの基礎、言うなれば「お作法」を応用して仕事をしています。また、社会に出てからも日々新しい技術を学ぶことは欠かせません。そのためにも学び続けるための基盤を大学でしっかりつくってほしいと思います。
- 湊谷
- 私は情報系学部で身についた「数学的なものの考え方」が今の自分を支えていると思っています。これは、Webの世界でシステムを構築する上で不可欠なものです。この新たな思考回路を得るだけでも理工系学部で学ぶ価値があると思いますね。
- 浜田
- 現在、Webエンジニアの需要はますます高まっています。この業界を目指す人にとって、未来は明るいと思います。食べログ開発の現場に関しては、開発についての知識やスキルだけでなく、創造性や協調性も求められます。仕事仲間と密にコミュニケーションを取りながらクリエイティブな仕事をしたい人は、必ず楽しめると思います。興味がある人は、ぜひWebエンジニアの世界を目指してください!
- 食べログの
ココがスゴイ!
-
24時間365日、いつでも空席確認とネット予約ができる!
店舗データや点数だけを見ているようではまだまだ食べログビギナー。食べログの機能で注目したいのが24時間365日、いつでもネットで空席確認ができ、予約を完了できるサービスだ。日時とエリア・ジャンルを指定してネット予約できるお店を探せるとともに、気になるお店の空席カレンダーなどからも簡単に予約ができる。特にスマホアプリではトップページを開くとすぐに空席確認ができるなどネット予約がさらに便利に。ネット予約で貯まるTポイントも、アプリ経由の予約なら2倍貯められるなどお得なサービスも好評だ。カジュアルなお店から特別な日に使いたいレストランまで、全国のさまざまなジャンルのお店を網羅しているので、この機能を使いこなせば、恋人や仲間から厚い信頼を得られるはず!
スマートフォンサイトのWeb予約画面。
○×△の表示で現在の空席状況をひと目で確認できる