F-Lab.egg

愛知工業大学 大学院

工学研究科 材料化学専攻
博士前期課程 2年

I.Tさん

愛知県立豊田北高等学校出身

鮮やかな色の変化など実験結果が
目に見えてわかるのが化学の面白さ

二酸化炭素に還元反応を起こす
「金属錯体」を一から製作

 「金属錯体」について研究しています。これは金属と有機物が混ざった化合物のことで、身近なもので言うと、鉄を含む血液中のヘモグロビンや、マグネシウムを含む植物中のクロロフィルなども金属錯体の代表例のひとつとして挙げられます。金属錯体は、酸化や還元といった反応を引き起こせるのが特徴。私の研究では、金属錯体の還元反応を用いて、二酸化炭素を他の化合物、例えばメタノールなどへと変換することを目指しています。これが達成できれば、温室効果ガスの削減や、合成の原料としても使えると考えています。

 研究は、還元反応が起きやすい金属錯体を一から製作するところから始まります。金属錯体を結晶化する必要があるのですが、これが難しく、さまざまな溶媒を試して実験を繰り返しています。これまで化学実験の授業などで学んだことをベースにしながら臨機応変に応用することが求められるので、思い通りにいったときには達成感があります。

 小学生のころから理科や化学の分野が好きでした。なかでも、BTB溶液を使って液体が酸性か中性かアルカリ性か調べる実験が印象に残っていて、化学反応による鮮やかな色の変化に魅力を感じていました。現在の研究でも金属錯体が実験結果によって多彩な色になるので、変化が目に見えるのも面白いです。

 博士前期課程修了後は、金属やアルミでできた製品のリサイクルをする企業に就職します。これまで得た知見から社会に貢献したいです。

My Research Activity私の研究活動

学部4年次の1年間だけでは「本物の研究」にたどり着けないのではないか。大学院への進学を決めたのはそんな思いからでした。金属錯体というひとつの物質を深く探究してみると、授業で行う「実験」と、実験だけでなく計画、解析、考察といったことの連続したサイクルによって成り立っている「研究」とでは、考えることも得られるものも大きく違うと感じます。3年間の研究で得た問題解決のための考え方や幅広い視野を持った物事の進め方は、就職先でも活かせると思います!

外気と遮断された環境で作業ができる「グローブボックス」という密閉容器。金属錯体の合成実験にも使用しています

愛知工業大学

バンテリンドーム ナゴヤ(旧名称:ナゴヤドーム)
約14個分の広大な八草キャンパス

最先端施設を備えた拠点で、ものづくり人材を育成

1959年、工科系大学として誕生した愛知工業大学。人と地球にやさしいエンジニアを育てる「創造と人間性」を教育モットーに、ものづくり産業の第一線で活躍できる人材を育成し、国内外の産業界に輩出してきました。2009年には工学部に経営学部と情報科学部が加わり、「工科系総合大学」へと進化。2010年には名古屋市内の交通アクセスのいいエリアに「自由ヶ丘キャンパス」を開設しました。豊田市にある広大な八草キャンパスには、2016年に食堂棟「セントラルガーデン」、2017年には「バイオ環境化学実験棟」など、充実の設備が次々に完成。ロボット研究ミュージアムや吹き抜けの建築アトリエなど、学生の向学心を刺激する充実の学びの場を提供しています。

学部学科

【八草キャンパス】 ■ 工学部:電気学科(電気工学専攻、電子情報工学専攻)/応用化学科(応用化学専攻、バイオ環境化学専攻)/機械学科(機械工学専攻、機械創造工学専攻)/土木工学科(土木工学専攻、防災土木工学専攻)/建築学科(建築学専攻、住居デザイン専攻) ■ 経営学部:経営学科(スポーツマネジメント専攻) ■ 情報科学部:情報科学科(コンピュータシステム専攻、メディア情報専攻) 【自由ヶ丘キャンパス】 ■ 経営学部:経営学科(経営情報システム専攻)

主な就職実績

トヨタ自動車、パナソニック、本田技研工業、SUBARU、東芝、ヤフー、トヨタ車体、トヨタ紡織、豊田合成、アイシン精機、住友電装、スズキ、イビデン、東芝プラントシステム、バッファロー、NECソフト、楽天、清水建設、大和ハウス工業、積水ハウス、岐阜信用金庫、I NAX、リンナイ、西日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、東日本旅客鉄道、綜合警備保障、YKK AP ほか

お問い合わせ先

〒470-0392 愛知県豊田市八草町八千草1247
入試広報課 TEL:0565-48-5011