F-Lab.egg

金沢工業大学 大学院

工学研究科 バイオ・化学専攻
博士前期課程 2年

S.Aさん

岐阜県立中津高等学校出身

高い健康効果が見込める甘酒の
新たな製法の確立をめざして

甘酒の健康効果で注目される
レジスタントプロテインの働き

 「免疫力アップ」や「腸活」などのフレーズとともに、発酵食品がお店や雑誌で取り上げられているのを皆さんも見たことがあると思います。私もそもそもは発酵食品や微生物に興味があり、そこから麹菌を研究している尾関健二教授の存在を知って、金沢工業大学へと進学。憧れていた尾関先生の研究室で現在、研究に取り組んでいます。

 数ある発酵食品の中でも私がテーマとしているのは甘酒で、含まれる成分のうち、難消化性タンパク質であるレジスタントプロテイン(RP)に着目。RPはコレステロール低減や便通改善などの健康効果が期待できる成分で、原料や製造過程の違いによるRP高含有甘酒の製法の研究を行っています。研究は甘酒の主な原料であるコシヒカリの他に、もち米や古代米、押麦などさまざまな原料を用いて甘酒を製造するところからはじまり、完成品のRP含有量を計測します。どんな原料・製法ならばRPをより多く含む甘酒をつくれるのか、データ収集を続ける毎日です。

 RP含有量の計測方法は私たちの研究室のみが持つ技術であり、研究を通してRPを高含有する甘酒の製法を確立するのが目標です。高い健康効果が見込める甘酒の製法が明らかになれば、メーカーなどにも大きな影響を与える成果となるはず。そんな責任と理想を抱えながら、発酵食品に興味を持ったころの好奇心も忘れずに、毎日の研究を楽しみながら頑張っています。

My Research Activity私の研究活動

尾関教授は発酵技術開発の第一人者であり、多くの企業と連携して研究・製品開発を手がけています。そんな環境で私も学部生のころから企業との共同研究に参加。4年次には大手食品メーカーとの共同研究の主担当も務めました。当時はプレッシャーに潰されそうになるときもありましたが、思い返せば研究者としても社会人としても大きく成長する機会になりました。卒業後は酵素メーカーに進みますが、これからも変わらず「酵素のスペシャリスト」をめざしていきます。

古代米や雑穀など約20種の原料をブレンドして研究を行います

金沢工業大学

扇が丘キャンパス。約6,200名の学部生が学ぶ

正課×課外でのプロジェクト型の学び

単に専門知識を学ぶだけでなく、チームで問題発見・解決に取り組むプロジェクト型の授業「プロジェクトデザイン」が用意されています。また、身につけた知識の実践の場として、約50の学生プロジェクトが活動中。ものづくりの部活「夢考房プロジェクト」では、2023年の大会で優勝したRoboCup@Homeプロジェクトなど、12のプロジェクトが活動しています。その他、SDGsや防災・減災、心理学などアカデミックなテーマに取り組む「学科プロジェクト」も。

企業に長期間勤務しながら学ぶ「KITコーオプ教育プログラム」

企業が取り組む現実の課題に挑む「KITコーオプ教育プログラム」を行っています。学生は4カ月~1年間の長期にわたって提携先の企業で働きながら、実社会での課題解決に挑みます。データサイエンスをテーマとするNTT西日本、サイバーセキュリティをテーマとするNECグループとのプログラムなどがあります。

学部学科

■工学部:機械工学科/航空システム工学科/ロボティクス学科/電気電子工学科(電気工学コース、電子工学コース)/情報工学科/環境土木工学科 ■情報フロンティア学部:メディア情報学科/経営情報学科/心理科学科 ■建築学部:建築学科(建築デザインコース、建築エンジニアリングコース) ■バイオ・化学部:応用化学科/応用バイオ学科

主な就職実績

アイシン、西日本電信電話、大林組、カシオ計算機、鹿島建設、京セラ、小松製作所、清水建設、スズキ、SUBARU、セイコーエプソン、積水ハウス、ソフトバンク、大成建設、大日本印刷、大和ハウス工業、竹中工務店、テルモ、東海旅客鉄道、TOTO、凸版印刷、ニコン、西日本高速道路、西日本旅客鉄道、ニデック、日本電気、バンダイ、東日本高速道路、日立Astemo、日立建機、北陸電力、本田技研工業、ミネベアミツミ、ヤマハ発動機、LIXIL、YKK AP など

お問い合わせ先

〒921-8501 石川県野々市市扇が丘7-1
入試センター TEL:076-248-0365